エンジニアになって1年ですぐ辞めるのは正解か。そんなわけがない。

エンジニアになりたい人が増えているようです。
IT業界で働く身からするととても感慨深いものはあるのですが、インフルエンサーの言う理想像を追い求めてエンジニアを目指す人が多くいることに危機感を感じてます。
今回例に挙げたいのは「エンジニアになって1年で辞めて転職を行うことで高額な給与オファーがもらえるようになる。」という普通に考えたらありえない内容についてです。
冷静に考えて1年足らずのエンジニアに高額な給与が払われると思いますでしょうか?
中には半年で高給取りになれるとか3ヶ月でも独立可能とかよくわからない発信をする人もいますが、情弱釣りにもほどがあります。
ある程度のレベルのエンジニアとしてみられるには最低でも5年はかかると思っておきましょう。
エンジニアになって1年ですぐ辞めても給料は増えません
自分が経営者なら経験1年のエンジニアを高待遇で迎えるか
エンジニアが高給取りとされる理由に技術力と言う側面があります。
自分ができないからエンジニアを雇う必要があり、迎えるには相応の報酬が必要という理論です。
もちろんフルスタックと言われる様々な知識を有していてマネジメントもできるエンジニアであればその理論が通じるのですが、経験1年レベルでは違います。
1年レベルの技術者であれば無数に存在しているので、逆に低価格で雇われる可能性が大です。
また、1年経験を積んだと言ってどれだけ信頼できる技術者になれるのかも疑問です。
自分が経営者なら即戦力として1年しか経験のない技術者を雇うかと言う見方をすれば、おかしい点に気づけるはずです。
平均年収もそんなに高くない
そもそもですが、日本のエンジニアの年収はそこまで高くないです。
下記ネット上の情報を集約した平均年収の表になります。
Web系はSierと比べて100万円ほど年収が下がる傾向にあると言われているので、実情と大きく乖離していないと思われます。
種別 | 20代年収 | 30代年収 | 40代年収 | 50代年収 |
---|---|---|---|---|
Sier | 375万円 | 518万円 | 623万円 | 745万円 |
Web系エンジニア | 313万円 | 409万円 | 520万円 | 586万円 |
フリーランスなら3割増~5割増を目指す必要あり
また、フリーランスなら年収が上がるとする話もあるので補足します。
フリーランスになると社会保険を自分で払うようになったり退職金がなかったりするので会社員より多く稼ぐ必要があります。
目安としては会社員時代の1.3倍、家賃補助などの福利厚生がある場合には1.5倍ほどは必要になります。
下記に会社員時代の年収と比較したフリーランスの年収をまとめたので参考にしてください。
会社員年収 | フリーランス |
---|---|
500万円 | 650万円~750万円 |
600万円 | 780万円~900万円 |
700万円 | 910万円~1050万円 |
800万円 | 1040万円~1200万円 |
認めてもらうには5年は働こう
エンジニアになれたなら、まずは5年を目途に技術力向上に努めることを推奨します。
5年間としたのは下記のようなイメージを持っているためです。
- 1年目…なんとなく仕事が分かってくる。コードも書けるようになる。
- 2年目…コードの良しあしが分かるようになる。
- 3年目…使い勝手を意識した開発ができるようになる。炎上も経験してるかも。
- 4年目…下の世代への教育から基礎固めが必要になる。
- 5年目…要件決めを経験。リーダーとしてプロジェクトを受け持つ。
大体ここに記載したレベルの人材であれば、給料アップを狙った転職も上手くいく可能性が高いです。
語弊がないように言っておくと、別に1社で上記の5年と言うことではなく転職しても良いと思います。(ただし給料は変わらないか下がる可能性大)
転職しても0からのスキル構築になることはまれなので、居心地が悪い会社に長居する必要はありません。
まずは5年を目指して技術研鑽を行うようにしましょう。
インフルエンサーの情報を鵜吞みにしない
最後にインフルエンサーの情報を鵜吞みにしないでということをお伝えしておきます。
まずインフルエンサーの発信を見聞きしたら、オンラインサロンであったりプログラミング学習サイトなどのサービスを運営していないか確認してください。
もしそういったサービスを運営している場合は、自分のサービスに人を惹き込むために過剰なセールストークを行っている可能性が高いです。
オレオレ詐欺のような分かりやすい詐欺は皆さん分かっているのですが、情弱ビジネスという点に免疫のない人が多いので本当に注意してください。
まとめ
と言うことで今回の記事を締めようと思います。
エンジニアの負の面を中心に今回お話しましたが、仕事として非常に面白い職業だと僕自身は感じています。
コードを書くのが面白いと感じる人やクリエイティブなことをやりたいという人には打ってつけの職業です。
下記のような記事も書いてるの参考にしてみてください。

