フリーランスエンジニアになるまでの流れと注意ポイントをまとめてみた。
自分への備忘録含め、似たようにフリーランスエンジニアに踏み出したいという人向けに、私が辿ったフリーランスエンジニアへの道のりを残しておこうと思います。
あくまで私の辿った道のりなので、最適解とは言えないかもしれないですが、参考程度にしてもらえればと思います。
プロフィール
いきなり語り出す前に、エンジニアにも色々な経歴の人がいると思うので、私のプロフィールを出しておきます。
年齢 | 30代前半 |
---|---|
家族 | 妻と1歳児の3人家族 |
エンジニア歴 | 10年弱 |
専門分野 | 業務系Webアプリ |
スキル | HTML/CSS/JavaScript/PHP/C#/Java/Oracle/SQLServer/ASP.NET/IIS/Apache/RPA/Tableau/WordPress…etc |
簡単に言ってしまえば、C#とJavaをバックエンドに使った、業務系のWebアプリケーションを開発する普通のSEって感じです。
一応、設計フェーズの経験もあり小規模なプロジェクトのPLもやってたことあります。
この辺りは細かく話してもしょうがないので本題入ります。
退職、そしてハローワークへ
2023年12月末をもって会社を辞め、年明けから無職生活になりました。
その後、ハローワークに行き失業保険をもらい始めます。
私の場合は、給付制限が2ヶ月ついてたので、1月の後半に申請して4月になるまで失業給付はなかったです。
ハローワークでは会社復帰するための活動実績を残さないといけなく、私は月2回ハロワに行って職業相談を受けることで達成させてました。よさげな会社があれば受けてもいいかなぐらいの感じで相談してました。
というような感じで5月の後半くらいまで失業保険をもらって、そこから個人事業主になっていきます。
ひとまずここまでで、注意するところ書いておきたいので区切ります。
- 健康保険はどうするか考えておく。
- 会社の保険を任意継続するという選択肢と国民健康保険に入るという選択肢がある。(ちなみに健康保険組合に入るという選択肢もありますが、執筆時点でフリーランスエンジニアが入れる組合はないはずです)
- 配偶者や子供を扶養に入れてる人は任意継続の方が安い可能性が高い。(国民健康保険に扶養の概念はないので、全員分払うことになります。)
- 任意継続する場合は、退職後20日以内に継続の意思を示さないと継続できなくなってしまうので、割と急ぐ必要がある。
- ちなみに任意継続も国民健康保険も、傷病手当金の補償はつかないはず。病気や怪我で休んだ時にノーガード状態になるので、民間保険を検討するのもあり。(ちなみに私は生命保険も入ってなかったので、「FWD収入補償保険」に加入し、「生活支援特則」をつけることで万が一に備えました(月2,500円ぐらい)。一応下に入ってる保険書いときます。)
- 国民年金の切り替えは忘れずにやる。
- しばらく待ってると国民年金の案内がくるはずなので手続きする。(私は待ちきれずに年金事務所に出向きました。)
- 付加年金(月400円)に入るならここで一緒に手続きするのもあり。(200円×支払った月数が1年間の年金に上乗せされる。なので2年年金もらうと元が取れてしまうという感じ。)
- 口座振替が若干安くなる。前納するとさらに安くなる。2年前納までできるが、1年分ずつ社会保険料控除に回すことができるので、まとめて払っても安心。また2年前納の場合は、その年の保険料で24ヶ月分払うので、毎年あがっている保険料を1年据え置きで払う感覚で使える。前納した後に正社員復帰しても差額分は返還される。(2年前納のいいとこ書きましたが、私は1年前納にしました。2年分一括で払うお金がないので、、)
- 前社での経歴はメモに残しておくこと。
- パソコン返却する前に記憶にある限り整理しておかないと、後で思い出せなくなる。
- プログラミング言語や使用ライブラリ、開発環境などわかる範囲でメモする。特にバージョンは思ったより大事。
- 離職票が届いたら速攻でハローワークに行き、失業保険の申請をする。
- 申請したときから失業保険もらうまでの予定が組まれるので、なる早で行動する。
- 給付制限期間がある場合は、その分の生活費を会社員の時に確保しておくこと。
- 生命保険
- FWD収入補償保険
- 就労不能保険
- FWD収入補償保険に生活支援特則を付与で擬似就労不能保険
- 医療保険
- 入っていない。都道府県民共済が良さげというところまで辿り着きましたが、基本的に貯金で対処できると判断しました。ちなみに18歳から60歳まで掛金も保障内容も同じというところに少し闇を感じてます。(おそらく保険を使うのは60歳に近い方々。とすると、若い世代の保険金はその人たちを支える原資になってるはず。どうせ入るなら45とか50歳あたりでもいいかなという感じ、、)
※↑アフィではないので、リンク貼ってないです。興味がある人は調べてみてください。
ついに個人事業主になる。
2024年5月に開業届を提出し、晴れて個人事業主として活動を開始しました。
失業保険もらい終わってからでもいいかなと思いつつ、案外働く意欲が出始めたので失業保険の残りはありましたが、いよいよ個人事業主になります。
個人事業主になる際は、フリーランスエージェントを経由して仕事を取りました。単価は60万ほどでもう少し高くできた気がしますが、最初なのでと思い仕事を決めました。
使ったエージェントはレバテックフリーランスとMidWorksです。どちらも登録してすぐ折り返しの電話があり、スムーズにサービスに入っていけました。
基本的には、登録→希望条件、スキルの登録→スキルシート(職務経歴書)の提出→個別面談→案件紹介→企業商談→商談成立、という流れです。
企業商談は、商談という言葉よりかは面接に近いと思った方が心の準備がしやすいです。エージェントの方も同席してもらえるのでその点も安心材料かと思います。
商談の流れは、案件説明が企業側からあり、その後スキルシートをもとにどのスキルがその案件に合うかというものを説明するイメージです。面接にありがちな志望動機などは基本ないです。あくまでどのスキルがあって案件で使えるのかという側面を伝えるようになります。
- 空白期間はフリーランスでも変わらないらしい。
- 6ヶ月も前職から空白期間があるとフリーランスとはいえ、相手先の企業から警戒される可能性があるという話をエージェントから聞きました。
エージェント的には早めに契約決めていきたいという裏事情もありそうですが、それでも空白期間は少ない方がいいはずです。
私の場合は、5ヶ月ほどの空白期間で個人事業主になったので、その話からすると滑り込みでセーフという感じでしょうか。
- 6ヶ月も前職から空白期間があるとフリーランスとはいえ、相手先の企業から警戒される可能性があるという話をエージェントから聞きました。
- 再就職手当はもらえる。
- 失業保険を受給中に仕事が決まった場合、残りの支給額のうち一定割合を手当として受け取ることができます。
- 失業保険の期間の3分の2以上残っていると70%、3分の1以上残っていると60%、それ以下だと貰えません。なので6ヶ月以上空白期間になりそうなら、再就職手当の検討もありです。
- 私はぎりぎり3分の1残っていたので、60%分もらえました。
- 正社員復帰だけでなく個人事業主になる場合でも受け取れるのですが、資料をいくつか用意しないといけないです。(下記例)
- 開業届と1年以上継続して働く証明。(請負契約書だったり、備品の購入費用など)
私は、請負契約書も出したのですが、3ヶ月更新で1年の目処を証明できないかもと思ったので、仕事用に購入したパソコンの領収書をくっつけて申請しました。
- 開業届と1年以上継続して働く証明。(請負契約書だったり、備品の購入費用など)
- 開業届を出す際は青色申告承認申請書も提出する。
- 青色申告承認申請書を出しておくと、確定申告の際に青色申告特別控除が使えるようになる。
- 開業届も青色申告承認申請書も、会計ソフトのサイトで指示通り入力すると勝手に必要な情報がまとめられた申請書ができるので便利。
- ちなみに開業届出した段階で失業保険は終了になるので、届出する日は慎重になること。
個人事業主になってからも大変。
個人事業主になってからもわからないことだらけで大変でした。
なので、私が悩んだりしたところを以下にまとめておきます。
確定申告に向けて帳簿をつけないといけない
最初で最大の難関がこれ、帳簿記入です。
確定申告に向けて、売上を記入したり、経費を記入したりしていくのですが、簿記の書き方になれず苦戦しました。(商学部卒で簿記3級持ってるのですが、、←)
勘定科目をどれにしたらいいかわからないし、そもそも何を記入すればいいのかもわからないという状態でした。
現状はなんとか安定してきてますが、確定申告はまだやってないので、これから問題が起きないとも限らないですね。
一応私が悩んだやつ残しておきます。合ってるかは補償しないです。笑
- 報酬を受け取る。
- 請負契約で働いてれば毎月給料のようにお金が入ってくると思いますが、個人事業主では「売上」という扱いになるらしいです。
具体的には、請求した日で「売上→売掛金」扱いで起票し、実際に振り込まれた日に「売掛金→普通預金」という流れにすることで売掛金を相殺させるとのことで、私はそのように記録してます。
- 請負契約で働いてれば毎月給料のようにお金が入ってくると思いますが、個人事業主では「売上」という扱いになるらしいです。
- クレカ支払い。
- 備品を買ったり、月額サービスに課金してる場合、クレカで引き落としになるかと思います。
- その場合は、報酬の時と似たような感じで買った日に「備品購入→クレカ払い」で記帳し、クレカ支払日に「クレカ払い→普通預金」とするようにしています。
- 生活費を引き出す。
- 報酬をもらった際に生活費用のお金を口座からもらう必要があると思いますが、その場合は、「普通預金→事業主貸」とすれば良いようです。
- 逆に個人のお金を事業用に使った場合は事業主借というものを使うようです。
会計ソフトを使用すると捗るので、私は「やよいの青色申告オンライン」を使用してます。
初年度が無料で、とりあえず使ってみようという感じで始めました。
節税対策を考える
個人事業主になると経費を売上から引けるようになるから節税がしやすいというのを聞いたことがありますが、フリーランスエンジニアに至ってはほとんど経費がありません。
パソコン一台あれば戦えてしまうので、事業開始時に10万ぐらいのものを買って数年は使うという感じの人が多いと思います。
しかも私の場合はフルリモートで仕事してる分、全く経費がかかっていないという事態に陥っています。(多分細かいの集めてやっと5万くらいな気がします。)
給料収入がある人は給料所得控除というものがあり、例えば500万年収があれば、150万弱ぐらいは経費にかかってる程で差っ引いてくれます。現実的にそんだけの経費使わないやんけっていう感じです。
ということで、節税対策を本気で考えないと税金にやられます。笑
青色申告控除
確定申告の際に、青色申告という方法で申告すると、最大65万円の所得控除になります。
開業届出した際に青色申告承認申請書を出してれば、使えます。
65万円控除になる条件は調べてみてください。
基本的にやり方の問題なので、事業所得受けてる人であればやって損はないです。
iDeCo/国民年金基金
iDeCoと国民年金基金は合わせて、年間81万6000円(月額6万8000円)まで掛金を拠出でき、全額所得控除になります。
両方とも、掛金を入れ続けてれば、老後に年金として受け取れるようになる年金制度です。
iDeCoは投資商品を自分で選び、その運用実績で年金をもらうのに対し、国民年金基金は掛けた際に予定利率が決まっているタイプになります。詳しい違いは調べてください。
私はiDeCoに全額突っ込むことにしました。
国民年金基金はパンフレット頼んだら、それ以降月1回以上、国民年基金の方から電話が来るようになったり、毎月キャンペーンとかの手紙が来たりでいい印象ではなかったので、、(何かしらの勧誘が必要な事情がある?)
ちなみにですが、上の方で書いた国民年金に付加保険料を乗せていると、iDeCo+付加保険料で6万8000円以下になる必要があるようなので、その場合iDeCoは6万7000円上限になります。(iDeCoは1000円単位のため。これがあるので私は付加保険料をやっていないです。)
小規模企業共済
個人事業主には退職金がないので、それを保管する役割として小規模企業共済があります。
年間84万円(月額7万円)まで掛金を拠出でき、全額所得控除にすることができます。
国民年金基金と同様に予定利率が決まっているパターンです。(単利運用なのでそこまで増えないですが、、)
最終的に返ってくるお金だと思えば、税金を抑えるために払うのはありかと思います。
ただし任意解約してしまうと解約手当金で元本割れする可能性があるので注意です。
経営セーフティ共済
取引先の会社が倒産し、連鎖倒産のおそれがある場合等にかける保険のようなものです。
年間で240万(月額20万円)まで掛金を拠出でき、こちらは経費に含めて所得を減らすことができます。
合計で800万円になるまで掛けることができ、解約すれば全額戻ってくる(40ヶ月以上納付が必要)のですが、その際に事業所得扱いになってしまいます。結局税金がかかることになり、納税を後回しにしているだけという風に言われたりもします。(消費税の免税事業者でやってる人は事業所得を1000万以上にしたくないと思うので、出口戦略も考えとかないといけないです。)
正直、フリーランスが本来の意味としてのセーフティ共済に入る必要性はないですし、かけたお金が増えるわけでもないので、あまり旨味があるようなものではないです。
経費に入れることができるので国民健康保険料を抑えられるのが旨みですね。
ちなみに開業後1年経たないと入れないです。
家事按分
リモートで仕事をしようとしている場合、その仕事で使った分の家賃代や電気代などについて経費に入れることができます。
特に賃貸の部屋に住んでる人は、そこそこの金額を経費に入れることができるはずです。
私の場合はあまり家事按分の効果を実感できるほど、経費に入れられてないんですけどね、、
東京あたりにワンルームぐらいの部屋借りて事務所にしてしまおうかとも考えてます。笑
あとは会社員時代の節税対策と同じです。配偶者控除とか保険料控除、ふるさと納税などで税金対策するようになります。
ちなみに国民健康保険も所得から計算しますが、経費と基礎控除くらいしか使えないので保険料減額は難しいです。
マイクロ法人化して云々という話もありますが、面倒なのでまたの機会に。(個人事業主でも入れる社会保険を謳うサービスもありますが、かなりグレーなのでおすすめしません。)
就労不能保険を考えないといけない
上の方で書いてるのであまり深く話さないですが、個人事業主になると社会保険のありがたみを感じます。
特に傷病手当金が大きいですね。
傷病手当金は4日連続で働けないと、5日目から収入の3分の2ぐらい手当金が出るもので、1年と半年まで受け取れます。
1年と半年過ぎても働けない場合は障害厚生年金にできる人もいるので、継続して収入が保障されています。
これが個人事業主になると、障害基礎年金をもらえるかどうかという保障だけになってしまうので、働けなくなるとかなりの痛手です。
傷病手当のような保険も探しましたが、ここまで強い保険は見つかりませんでした。医療保険+就労不能保険の組み合わせで代替できるかもなという感じです。
鬱みたいな精神疾患でも保障されるところも傷病手当の強いところですね。
賠償責任保険はどうするか
個人事業主として働くとなると、会社の後ろ盾がなくなるので、何かあった際に相手の企業から損害賠償のような話を受ける可能性もゼロではないと思われます。
おそらく多額のお金が動くことを考えると、保険でカバーできるといいかと思います。
私はフリーランス協会に加入しており、自動付帯の賠償責任保険と弁護士費用保険で準備しています。
年間1万円の会費で入れるので、月換算だと1,000円切るようなお金で入れます。
一応他にもサービスが色々あるようですが、私はあまり使っていないです。
キャリアを考えないといけない
会社員時代は、上から言われるがままにちょっとずつ難しい仕事にチャレンジする機会を受けれたと思いますが、個人事業主はそこを自分の手で行わないといけないです。
それはそうでしょっという感じですが、意外と個人事業主になってから仕事を受注するとなっても、自分ができる範囲で考えてしまいがちで、なかなかチャレンジングなことに目を向けられなくなります。
結局、下流工程ばかりの経験でしかも自分のできることを繰り返してるだけで、全くスキルも向上しない、人材としての価値も年齢ととも目減りしていってしまうでしょう。
仕事以外の時間でもスキルを磨いたり、資格をとったり、事業拡大のための準備をしたりなどやれることもありますが、自由を求めてフリーランスになった人は自分も含めて、そこに手を回せるのは少数派かもしれないです。
フリーランスになるのはさほど難しくないですが、そこから生活を成り立たせるのは結構難しいということは認識しておいて損はないです。
まとめ
ということで、フリーランスエンジニアになるまでの経緯と私が悩んだところなどをまとめておきました。
特に後半の悩んだ部分についてでわかる通り、フリーランスになることでマイナス面の方が印象深いという状態です。
いいところと言えば、仕事が嫌になったらすぐに逃げれるという感じですかね。笑
基本的に3ヶ月ごとの契約だったりするので、そこで嫌だったらこっちから継続辞退すればいいだけです。会社員の時みたいに退職届を出すのに勇気を振り絞る必要がないのがかなり心にゆとりを持てます。
その分、数ヶ月先に自分がどこに所属しているか見えないのは怖いですけどね。
また、心境が変わったりした場合にブログに残していこうと思います。